都市の樹木は病んでいる・・・我々の主張と環境教育プロジェクトの位置付け
小橋理事長がご指摘されているように、「日本の都市の緑、樹木は病んでいる」のが現状で、このことを多くの方々に認識してもらいたいという点が我々の活動の原動力だと考えている。また、この現実を一般の方々に知っていただくことの重要性を考えると、今をもって活動の必要性を痛感している。
さて、私が「樹木が病んでいる」と言うよりも、私以上に深く都市の緑に関与されてきた片山副理事長をはじめとする他の理事の先生方や、今回、樹木活力度の調査でお世話になった大手先生、守村先生、中村先生のような専門家の方々が主張される方が極めて説得力があるため、私はNPO法人グリーン・エンバイロンメントの活動のもう一つの柱である「環境教育プロジェクト」について、ここで報告したい。
いくら都市の緑が病んでいると我々が主張しても、樹木に関心を持つ意識が無ければ、前進しない。そこで、樹木が実際にどの程度、衰退しているかを客観的に数値として提示するための方法として、「樹木活力度計量測定システム開発プロジェクト」がある。
そして、親子や地域住民などの参加型で、かつ身近な樹木をツールとして活用し、実際に緑に触れ親しんでもらうことで、樹木を見つめ直してもらうというものが「環境教育プロジェクト」の位置付けではないかと私は考えている。
換言すれば、我々の主張と、研究開発、そして参加型・体験型環境教育が同時に動いていくことで、初めて我々の活動目的を達成することが可能になるということである。
当NPOは、農学分野の専門家と環境教育の専門家が理事の中心となって構成されており、このことで2つのプロジェクトは実現できた。理事の一人である小西理事は、学生時代から野外活動・体験学習・環境教育といった分野で活躍されており、私も学生時代は、小西理事と同じ団体でキャンプリーダーとして子供達と野外活動を実践してきた。このように環境教育プロジェクトの推進は、小西理事の経験とノウハウによるところが多く、あらためてここに謝意を表したい。
さて、環境教育プロジェクトを報告する前に、昨今の環境意識の高まりをふまえ、日本社会の変化について僭越ながら私なりの考えをまとめてみた。 |